「マイホームが欲しい！」そう思っていても、最近のニュースで「住宅価格が高騰している」「金利が上がっている」なんて聞くと、「自分には無理かも…」と諦めてしまいそうになりますよね。でも、ちょっと待ってください！ 住宅の専門家として、わかるように、無理なくマイホームを手に入れるための具体的な方法をお伝えします。
■■ 1. まずは「自分たちの予算」をしっかり知ろう！
マイホーム購入で一番大切なのは、ズバリ「予算を決めること」です。かっこいい家や広い家に目が行きがちですが、まずは現実的に「いくらまでなら払えるのか」をしっかり計算しましょう。
◆ (1) 住宅購入にかかるお金ってどんなもの？
家を買うときにかかるお金は、大きく分けて2種類あります。
・住宅本体の価格：土地と建物の代金です。これが一番大きな割合を占めます。
・諸費用：
これを見落としがちですが、結構な金額になります。具体的には、
– 税金：不動産を買うときにかかる税金（印紙税、登録免許税、不動産取得税など）
– 手数料：不動産会社に払う仲介手数料、住宅ローンを借りる手数料など
– 引っ越し費用や新しい家具の購入費など
これらの諸費用は、住宅本体価格の5%〜10%くらいを目安にしておくと良いでしょう。例えば、3000万円の家なら、150万円〜300万円は諸費用で必要になるイメージです。
◆ (2) 「無理なく払えるローン額」を知る方法
住宅ローンは、銀行などからお金を借りて、毎月少しずつ返していくものです。無理なく返済していくためには、いくつかのポイントがあります。
・年収の25%以内を目安に！：
毎月のローン返済額は、あなたの手取り月収の25%以内にするのが理想的と言われています。例えば、手取り月収が20万円なら、毎月5万円くらいまでなら無理なく返せる、というイメージです。
・「いくら借りられるか」と「いくら返せるか」は違う！：
銀行は「この人にはこれくらい貸せるな」という上限額を提示してくれますが、それはあくまで上限。実際にあなたが無理なく返せる金額とは違うことが多いので注意しましょう。
・変動金利と固定金利、どっちがいいの？：
– 変動金利：金利が世の中の景気によって変わるタイプです。今は金利が低いので、最初は返済額が少ないですが、将来金利が上がると返済額も増えるリスクがあります。
– 固定金利：借りたときの金利がずっと変わらないタイプです。金利が多少高くても、毎月の返済額が変わらない安心感があります。
最近は金利が上昇傾向にあるので、将来の金利上昇が心配な人は固定金利を検討するのも一つの手です。ただし、変動金利に比べて少し金利が高めになることが多いので、どちらが良いかは専門家と相談して決めましょう。
■■ 2. 住宅価格の高騰対策！「買う時期」と「買う場所」を考えよう
「今は住宅が高いから、買うのを諦めようかな…」そう思っている人もいるかもしれません。でも、工夫次第で高騰の影響を抑えることができます。
◆ (1) 今すぐ買わないとダメ？「賃貸併用」という選択肢も
「やっぱりマイホームが欲しいけど、今は高すぎる…」と感じるなら、焦って購入しなくても大丈夫です。例えば、こんな選択肢も考えてみましょう。
・まずは賃貸で貯金を続ける：
頭金をしっかり貯めることで、住宅ローンの借り入れ額を減らすことができます。借り入れ額が減れば、毎月の返済額も減り、金利上昇の影響も受けにくくなります。
・賃貸併用住宅を検討する：
これは、自宅の一部を賃貸として貸し出すことで、家賃収入を得てローンの返済を助ける方法です。少し特殊な形ですが、家賃収入でローンの負担を大きく減らせる可能性があります。
◆ (2) 都心部から少し離れてみよう！「郊外」や「地方」の魅力
住宅価格が高騰しているのは、特に都心部や人気のエリアです。少し視野を広げて、都心部から電車で少し離れた場所や、地方の都市に目を向けてみましょう。
・価格がリーズナブル：
都心部に比べて、土地や建物の価格がぐっと安くなることが多いです。
・広い土地や家が手に入る可能性も：
同じ予算でも、都心部では手に入らないような広さの家や土地が見つかるかもしれません。
・住環境の良さ：
自然が豊かだったり、子育てしやすい環境だったりと、都心部にはない魅力があることも多いです。
ただし、通勤時間や交通の便、地域の利便性（スーパーや病院の有無など）も考慮して、自分たちのライフスタイルに合った場所を選ぶことが大切です。
■■ 3. 金利上昇対策！「賢いローンの組み方」と「繰り上げ返済」
金利が上がるということは、毎月の返済額が増える可能性があるということ。でも、対策方法はあります！
◆ (1) 変動金利のリスクを抑える「金利ミックス」
もし変動金利を選ぶのであれば、将来の金利上昇に備えて「金利ミックス」を検討するのも良いでしょう。これは、住宅ローンの一部を変動金利で借り、残りを固定金利で借りる方法です。
・メリット：金利が低い間は変動金利の部分で返済額を抑えつつ、将来金利が上がったときのリスクを固定金利の部分でカバーできます。
・デメリット：手続きが少し複雑になったり、固定金利の部分の金利が変動金利より高くなることがあります。
◆ (2) 余裕ができたら「繰り上げ返済」を積極的に！
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、まとまったお金を前倒しで返済することです。これには大きなメリットがあります。
・総返済額が減る！：
繰り上げ返済をすると、返済期間が短くなったり、毎月の返済額が減ったりします。特に、返済期間を短縮するタイプの場合、これから払うはずだった利息分が丸々なくなるので、総返済額を大きく減らすことができます。
・金利上昇のリスクを軽減！：
残りのローンが少なくなれば、金利が上がったとしても、その影響を受ける部分が少なくなるため、精神的な負担も軽くなります。
ボーナスが出たときや、臨時収入があったときなど、余裕があるときに積極的に繰り上げ返済を検討しましょう。
◆ (3) 「つなぎ融資」も知っておこう
注文住宅を建てる場合、土地の購入費用や、建物の工事費用は、完成する前に段階的にお金が必要になります。でも、住宅ローンは家が完成してからの実行が基本。そこで利用するのが「つなぎ融資」です。
・つなぎ融資とは：
住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に必要なお金を借りるためのローンです。
・注意点：
つなぎ融資にも金利がかかりますし、手数料も発生します。総返済額に影響するので、事前にしっかり確認しておきましょう。
■■ 4. プロの力を借りよう！「相談」の重要性
マイホーム購入は、人生で一番大きな買い物と言われることもあります。わからないことや不安なことがたくさんあるのは当たり前です。そんな時は、迷わずプロに相談しましょう。
◆ (1) 不動産会社選びは慎重に！
良い不動産会社は、あなたの希望をしっかり聞いてくれて、物件のメリット・デメリットを正直に教えてくれます。そして、予算に合った物件を根気強く探してくれるでしょう。
・複数の会社を比較する：
一つの会社だけでなく、いくつかの不動産会社に相談してみて、対応の良さや提案力を比較しましょう。
・質問を遠慮なくする：
疑問に思ったことは、どんな小さなことでも積極的に質問しましょう。
◆ (2) 住宅ローンの専門家「FP」に相談しよう
ファイナンシャルプランナー（FP）は、お金に関する専門家です。住宅ローンの組み方だけでなく、あなたの将来のライフプラン（子どもの教育費や老後の生活費など）も踏まえて、最適な資金計画を提案してくれます。
・無料相談を利用する：
金融機関によっては、無料でFP相談を行っているところもあります。
・複数のFPに相談するのもアリ：
FPによって得意分野や考え方が違うこともあるので、何人かのFPに話を聞いてみるのも良い経験になります。
■■ 5. その他の対策
◆ (1) 中古住宅やリノベーションも視野に
新築住宅は魅力的ですが、価格が高くなりがちです。そこで、選択肢に入れてほしいのが「中古住宅」です。
・価格が安い：
新築に比べて、同じエリアでも安く購入できることが多いです。
・リノベーションで自分好みに：
内装や間取りを自由に変えられる「リノベーション」を前提に中古住宅を探すのも人気です。リノベーション費用を含めても、新築より安く済むケースも少なくありません。
◆ (2) 住宅取得を支援する制度を活用しよう
国や自治体は、マイホーム取得を支援するためのさまざまな制度を用意しています。
・住宅ローン控除（住宅借入金等特別控除）：
住宅ローンを借りて家を買った場合、年末のローン残高に応じて税金が安くなる制度です。非常に大きなメリットがあるので、忘れずに活用しましょう。
・地域ごとの補助金：
子育て世代向けの補助金や、特定の地域への移住を促す補助金など、自治体独自の制度もあります。住みたいエリアが決まったら、自治体のウェブサイトなどで調べてみましょう。
■■ まとめ
住宅価格の高騰や金利上昇は、確かにマイホーム購入を難しくする要因です。しかし、焦らず、しっかりと準備をして、様々な選択肢を検討することで、無理なく夢のマイホームを手に入れることは十分可能です。
大切なのは、「背伸びしすぎないこと」と「分からないことはプロに相談すること」です。高校生の皆さんが将来、安心してマイホームを購入できるよう、このガイドが少しでも役立てば嬉しいです。
最後に、マイホーム購入はゴールではなく、新しい生活のスタートです。無理のない資金計画で、あなたらしい豊かな暮らしを実現してくださいね！
この記事へのコメントはありません。