
副業を始めようと決意したあなた。
収入が増える期待に胸を膨らませる一方で、お金の管理について不安を感じているかもしれません。
特に「副業用のクレジットカードは作ったほうがいいのか?」「プライベート用と分けるべきか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、副業を始めたばかりの方に向けて、個人事業主が事業用とプライベート用でクレジットカードを分けるべき理由から、副業向けクレジットカードとビジネスカードの違い、それぞれの選び方や注意点まで詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたにぴったりのカードが見つかり、お金の管理がぐっと楽になっているはずです。
■■ なぜ副業でも「事業用」のクレジットカードが必要なのか?
副業を始めたら、まず最初に検討したいのが事業用クレジットカードの作成です。これは、副業を「趣味の延長」ではなく「事業」として捉え、お金の管理を明確にするための第一歩となります。
事業用クレジットカードを持つ最大のメリットは、以下の2点です。
・経費の管理が格段に楽になる
・確定申告がスムーズになる
プライベートの買い物と事業の経費を同じカードで支払っていると、毎月の明細から経費を一つひとつ手作業で抜き出す手間が発生します。これは想像以上に面倒で、時間もかかります。しかし、事業用のカードを1枚持っていれば、そのカードの明細がそのまま「経費一覧」になるため、家計簿ソフトや会計ソフトへの入力が非常に簡単になります。
さらに、事業用のカードで支払った経費は、カード会社から発行される利用明細書が正式な証拠(証憑)として認められます。これにより、確定申告の際に領収書やレシートをいちいち整理する手間が省け、作業効率が大幅にアップします。
副業が軌道に乗って収入が増えれば増えるほど、経費の管理は複雑になります。最初から事業用とプライベート用のお金を明確に分けておくことで、将来の負担を大きく減らすことができるのです。
■■ 副業向けクレジットカードとビジネスカードの違い
副業用にカードを検討する際、「副業向けクレジットカード」と「ビジネスカード」という2つの選択肢が出てきます。呼び方が似ているため混乱しがちですが、これらは明確に異なる特徴を持っています。
● 副業向けクレジットカード(個人向けカード)
副業向けクレジットカードとは、個人名義で発行する一般的なクレジットカードのことです。ただし、事業用の決済に特化して利用する、という使い方をします。
・メリット:
- 審査に通りやすい: 多くの一般カードは、個人の支払い能力に基づいて審査されるため、副業を始めたばかりで収入が不安定でも比較的作りやすい傾向にあります。
- 年会費が安い、または無料: 年会費無料のカードも多く、維持費がかかりません。
- ポイント還元率が高い: ポイントが貯まりやすく、貯まったポイントを有効活用しやすいカードが多いです。
・デメリット:
- 事業向けの特典が少ない: 会計ソフトとの連携機能や、出張手配サービスなど、ビジネスに特化した付帯サービスはほとんどありません。
- 法人設立後も使い続けるのは難しい: 法人化した場合は、名義が個人となるため、そのまま利用を継続することは難しいでしょう。
● ビジネスカード(法人カード)
ビジネスカードは、個人事業主や法人経営者向けに発行される事業専用のクレジットカードです。
・メリット:
- 経費管理機能が充実: 会計ソフトとの連携機能や、利用明細を従業員ごとに管理する機能など、事業に役立つサービスが豊富です。
- 事業用決済に特化した特典: クラウドサービスやオフィス用品の割引、福利厚生サービスなど、ビジネスに役立つ優待が充実しています。
- 社会的信用の向上: 法人名義でカードを保有することで、取引先からの信頼度が高まることもあります。
・デメリット:
- 審査がやや厳しめ: 個人向けカードに比べ、事業の継続性や売上高も審査基準に含まれるため、開業したばかりだと審査に落ちる可能性があります。
- 年会費がかかることが多い: 維持費として年会費が発生するカードがほとんどです。
- ポイント還元率が低い傾向: 一般カードに比べると、ポイント還元率が低い傾向にあります。
■■ 副業向けクレジットカードの選び方
副業を始めたばかりで、まだ売上も安定していないという方には、副業向けクレジットカード(個人向けカード)を事業専用として使うのがおすすめです。特に以下のポイントを意識して選びましょう。
● 1. 年会費
副業を始めたばかりの時期は、少しでも経費を抑えたいものです。年会費無料のカードを選べば、維持費を気にすることなく利用できます。副業の売上が安定し、ビジネスカードの恩恵を受けられるようになってから、切り替えるのも一つの手です。
● 2. ポイント還元率
経費として支払った金額に対して、ポイントが貯まるのは大きなメリットです。例えば、毎月5万円の経費を支払うと年間60万円。ポイント還元率1%のカードなら、年間6,000円分のポイントが貯まります。これは決して無視できない金額です。1%以上の高還元率カードを選ぶと、ポイントを効率よく貯められます。
● 3. 会計ソフトとの連携
会計ソフトを利用している場合は、そのソフトと連携できるカードを選ぶと、経費入力の手間がさらに省けます。利用明細を自動で取り込み、勘定科目を振り分けてくれる機能があれば、確定申告が格段に楽になります。
● 4. 決済ブランド
Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど、さまざまな決済ブランドがあります。国内での利用がメインであればどのブランドでも問題ありませんが、海外での利用が多い場合はVisaやMastercardがおすすめです。
■■ ビジネスカードの選び方
副業の売上が安定してきた、あるいは法人化を検討しているという方は、ビジネスカードへの切り替えを検討しましょう。ビジネスカードを選ぶ際は、以下の点をチェックしてください。
● 1. 利用目的
・経費精算を効率化したい:
複数の従業員がいる場合や、経費を細かく管理したい場合は、利用明細を部門や従業員ごとに分けられる機能が充実したカードを選びましょう。
・ビジネスをサポートする特典が欲しい:
出張が多いなら空港ラウンジサービスや旅行保険、Webサービスやレンタルオフィスを利用する機会が多いならそれらの優待サービスが付帯しているカードがおすすめです。
● 2. 年会費とサービス内容のバランス
ビジネスカードには、年会費無料のものから数万円かかるものまで多種多様です。年会費が高くなるほど、付帯するサービスは手厚くなります。ご自身の事業規模や必要なサービスを洗い出し、年会費とサービス内容のバランスを考えて選びましょう。
● 3. 限度額
一般的なビジネスカードは、利用限度額が個人向けカードよりも高く設定されています。事業の売上や経費の規模に合わせて、十分な限度額が設定できるカードを選ぶことが重要です。
■■ クレジットカードを副業で利用する際の注意点
最後に、副業用のクレジットカードを利用する際の注意点を確認しておきましょう。
● 1. 利用規約の確認
一部のクレジットカード会社は、カードの事業利用を規約で禁止している場合があります。副業用に個人向けカードを契約する際は、事前に利用規約を確認しておきましょう。規約に違反した場合、カードの利用停止などのペナルティを受ける可能性があります。
● 2. 公私混同の徹底排除
副業用としてカードを作成しても、ついプライベートの買い物で使ってしまいたくなるものです。しかし、それではカードを分けた意味がありません。絶対に公私混同しないよう、財布を分けたり、会計ソフトの連携機能を活用したりして、経費管理の仕組みをしっかりと作りましょう。
● 3. 確定申告への備え
事業用のクレジットカードで支払った経費は、しっかりと記録しておく必要があります。カードの利用明細を保管するだけでなく、何のためにその経費を支払ったのかをメモしておく癖をつけましょう。これにより、税務調査が入った際にもスムーズに対応できます。
● 4. 複数枚を持つ場合の管理
副業用とプライベート用、さらに別の用途でもカードを持つ場合、管理が煩雑になりがちです。カードが増えるほど、利用明細のチェックや引き落とし日の管理が難しくなります。本当に必要なカードに絞り、シンプルな管理を心がけましょう。
■■ まとめ:あなたにぴったりのカードを選ぼう
副業を始めたばかりの方にとって、お金の管理は非常に重要です。事業用とプライベート用でクレジットカードを分けることは、副業を「事業」として成功させるための第一歩と言えるでしょう。
・副業を始めたばかり:
- 年会費無料でポイント還元率が高い個人向けクレジットカードを、事業用として1枚作成するのがおすすめです。
・副業の売上が安定し、事業を拡大したい:
- ビジネスカードを検討し、経費管理の効率化やビジネスサポートの特典を活用しましょう。
この記事で解説した内容を参考に、ご自身の状況に最適なカードを見つけて、副業をさらに加速させてください。お金の管理が楽になれば、あなたは本業や副業の作業に集中でき、より大きな成果へと繋がるはずです。










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