話題の16時間断食に潜むワナ!腸内環境を壊す意外な副作用に注意

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近年、多くのメディアで取り上げられ、手軽に痩せられるダイエット方法として注目を集める「16時間断食ダイエット」。芸能人やインフルエンサーが実践していることから、その効果を信じて挑戦しようと考えている方も少なくないでしょう。しかし、安易な流行に飛びつく前に、このダイエットが私たちの体に、特に「腸」に与える悪影響について深く理解しておく必要があります。

「16時間断食」とは、1日のうち16時間は何も食べず、残りの8時間で食事を済ませるという時間制限型の食事法です。この方法の提唱者たちは、空腹時間を長く設けることで、細胞のオートファジー(自食作用)が促進され、脂肪燃焼が効率的に行われると説明しています。確かに、短期的には体重減少が見られるケースもありますが、その裏で、私たちの健康を支える重要な器官である「腸」が深刻なダメージを受けている可能性があるのです。

■ 1. 腸内環境の悪化:善玉菌の減少と悪玉菌の増加

腸内には、数多くの細菌が生息しており、そのバランスが私たちの健康を大きく左右します。善玉菌は消化吸収を助け、免疫力を高め、ビタミンの生成など、様々な良い働きをします。一方で、悪玉菌は腸内腐敗を招き、便秘や下痢、肌荒れ、さらには生活習慣病のリスクを高める可能性があります。

16時間断食は、この繊細な腸内細菌のバランスを崩す大きな要因となりえます。食事を摂らない時間が長くなることで、腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの供給が途絶えます。特に、善玉菌はこれらの栄養素を好み、それらを分解することで短鎖脂肪酸という健康に良い物質を作り出します。エサが不足すれば、善玉菌は活動を停止したり、数が減少したりしてしまいます。

その一方で、悪玉菌は善玉菌ほど食事の内容に左右されにくく、むしろ腸内環境が悪化することで増殖しやすい性質を持っています。食事と食事の間が長く空くことで、胃腸の動きが停滞し、腸内がアルカリ性に傾きやすくなります。このような環境は、悪玉菌にとって増殖しやすい条件であり、結果として悪玉菌が優勢となり、腸内環境は一気に悪化してしまうのです。腸内環境が悪化すると、便秘や下痢といった消化器症状だけでなく、肌荒れ、アレルギー症状の悪化、倦怠感など、全身に様々な不調が現れる可能性があります。

■ 2. 便秘・下痢のリスク増大:腸の働きが鈍化

規則的な排便は、健康な腸の証です。しかし、16時間断食は、この排便リズムを大きく乱す可能性があります。食事を摂ることで、胃や腸は刺激を受け、蠕動運動(ぜんどううんどう)と呼ばれる波打つような動きをします。この蠕動運動によって、消化された食べ物は腸内を移動し、最終的に便として排出されます。

16時間もの間、食事をしないと、この蠕動運動が著しく低下します。腸が活発に動かないことで、食べ物の残りカスや老廃物が腸内に停滞しやすくなり、便秘を引き起こす原因となります。便秘が続くと、腸内で有害物質が発生し、それが体に吸収されることで、肌荒れや体調不良、さらには大腸がんのリスクを高める可能性も指摘されています。

また、便秘と下痢を繰り返す「過敏性腸症候群」のような症状を引き起こすこともあります。長時間の空腹後に急に食事を摂ることで、腸が過剰に反応し、下痢を引き起こしてしまうケースもあります。このように、16時間断食は、腸の正常な働きを阻害し、排便トラブルを招く危険性をはらんでいるのです。

■ 3. ストレスによる腸への悪影響:自律神経の乱れ

私たちの脳と腸は、「脳腸相関」と呼ばれる密接な関係にあります。ストレスを感じるとお腹が痛くなったり、下痢になったりするのは、この脳腸相関によるものです。16時間断食は、体に大きなストレスを与えます。長時間の空腹感は、心身に大きな負担をかけ、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進します。

コルチゾールは、血糖値を上げたり、免疫機能を抑制したりする働きがありますが、同時に腸の働きにも悪影響を及ぼします。ストレスによって自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れると、腸の蠕動運動が不安定になったり、腸管の透過性が亢進したりする可能性があります。腸管の透過性が亢進すると、本来は腸から吸収されないはずの有害物質が血液中に漏れ出し、「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」を引き起こす可能性も示唆されています。リーキーガットは、全身の炎症やアレルギー、自己免疫疾患など、様々な健康問題につながると考えられています。

さらに、食事制限によるストレスは、精神的な負担も大きいです。食事を我慢すること自体がストレスとなり、イライラや集中力の低下、睡眠障害などを引き起こすこともあります。このような精神的な不調も、腸の健康に悪影響を及ぼし、腸内環境の悪化を加速させる可能性があります。

■ 4. 栄養不足のリスク:必要な栄養素の欠乏

16時間断食は、食事を摂れる時間が限られているため、意識しないと必要な栄養素が不足しやすくなります。特に、現代の食生活において不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルは、意識的に摂取しなければ容易に欠乏してしまいます。

食物繊維は、腸内細菌のエサとなるだけでなく、便の量を増やし、腸内をスムーズに移動させる働きがあります。しかし、食事の回数や量が減ることで、食物繊維の摂取量が不足しやすくなります。また、ビタミンやミネラルは、体の様々な代謝や機能に不可欠な栄養素であり、これらの不足は、免疫力の低下、疲労感、肌や髪のトラブルなど、全身の健康に悪影響を及ぼします。

特に、筋肉の維持に必要なタンパク質も不足しがちです。ダイエット中にタンパク質が不足すると、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまい、基礎代謝が低下して痩せにくい体質になってしまう可能性があります。また、長時間の空腹状態は、血糖値の急激な変動を招き、食後の高血糖や低血糖といった問題を引き起こしやすくなります。これは、糖尿病のリスクを高めるだけでなく、集中力の低下や倦怠感、食後の眠気など、日々の生活にも悪影響を与えます。

■ 5. リバウンドの可能性:持続困難なダイエット

16時間断食は、その厳しい食事制限から、継続が非常に困難なダイエット方法です。長時間の空腹に耐え、食事の誘惑と戦い続けることは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。

無理な食事制限を続けていると、やがて反動がきて、我慢の限界を超えてしまいます。その結果、食事を解禁した際に、これまで抑圧されていた食欲が一気に爆発し、過食に走ってしまう「リバウンド」のリスクが非常に高くなります。リバウンドによって、痩せる前よりも体重が増加してしまったり、食に対する罪悪感やストレスが増したりと、悪循環に陥るケースも少なくありません。

また、長時間の空腹後に食事を摂ることで、体が栄養を効率的に吸収しようとするため、かえって脂肪を蓄えやすい体質になってしまう可能性も指摘されています。これは、体が飢餓状態と認識し、次の食事に備えてエネルギーを貯蓄しようとする防衛反応によるものです。

■ 健康的なダイエットへの道筋:腸を労わる食事と生活習慣

では、腸の健康を守りながら、効果的に痩せるためにはどうすれば良いのでしょうか?

まず、最も重要なのは「バランスの取れた食事」です。極端な食事制限ではなく、以下の点を意識して食事を摂るようにしましょう。

・豊富な食物繊維の摂取:
野菜、果物、きのこ、海藻、全粒穀物など、食物繊維が豊富な食材を積極的に摂りましょう。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランス良く摂ることが大切です。

・発酵食品の積極的な摂取:
ヨーグルト、納豆、味噌、漬物など、発酵食品には生きた乳酸菌やビフィズス菌が含まれており、腸内環境を整えるのに役立ちます。

・良質なタンパク質の摂取:
肉、魚、卵、大豆製品など、良質なタンパク質を毎食欠かさずに摂り、筋肉量を維持・増加させましょう。

・健康的な脂質の摂取:
オメガ3脂肪酸を多く含む青魚やアマニ油、えごま油などを積極的に摂りましょう。

・適度な糖質の摂取:
極端な糖質制限は避け、玄米や雑穀米、全粒粉パンなど、GI値の低い複合糖質を選びましょう。

次に、「規則正しい食生活」を心がけることです。

・1日3食を基本に:
決まった時間に食事を摂ることで、腸の働きを安定させ、血糖値の急激な変動を防ぎます。

・よく噛んでゆっくり食べる:
消化吸収を助け、満腹中枢を刺激することで食べ過ぎを防ぎます。

・間食は wisely:
どうしてもお腹が空く場合は、ナッツやフルーツ、ヨーグルトなど、体に良いものを選びましょう。

そして、「腸活」を意識した生活習慣を取り入れることも大切です。

・適度な運動:
ウォーキングや軽いジョギングなど、適度な運動は腸の蠕動運動を活発にし、便秘解消に役立ちます。

・質の良い睡眠:
睡眠不足はストレスを増やし、腸内環境を悪化させる原因となります。十分な睡眠時間を確保しましょう。

・ストレス管理:
ストレスを溜め込まないよう、リラックスできる時間を作る、趣味に没頭するなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

・水分補給:
十分な水分を摂ることで、便が柔らかくなり、排出しやすくなります。

■ まとめ

16時間断食ダイエットは、短期的には体重減少が見られるかもしれませんが、その裏で私たちの大切な「腸」に深刻なダメージを与え、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。腸内環境の悪化、便秘や下痢のリスク増大、ストレスによる腸への悪影響、栄養不足、そしてリバウンドのリスクなど、そのデメリットは決して無視できません。

健康的に痩せるためには、流行に流されるのではなく、科学的根拠に基づいたアプローチが必要です。バランスの取れた食事、規則正しい食生活、そして腸を労わる生活習慣を意識することで、無理なく、そして持続可能な形で理想の体を手に入れることができるでしょう。腸の健康は、全身の健康の基盤です。あなたの腸を大切にすることで、内側から輝く健康な体と心を手に入れてください。

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