株価が急落した時こそ冷静に!初心者がやるべきこと、避けるべきこと

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■■ はじめに:嵐の日にこそ、羅針盤を

株式市場に足を踏み入れたばかりの初心者投資家にとって、「株価の暴落」という言葉は、最も聞きたくない言葉の一つかもしれません。昨日まで順調に増えていた資産が、一晩で大きく目減りしていく様子を目の当たりにすると、冷静でいろと言う方が無理な話です。心臓が早鐘を打ち、不安と恐怖でパニックに陥ってしまうのも無理はありません。

しかし、投資の世界で長期的に資産を築いていくためには、このような市場の嵐をどう乗り越えるかが極めて重要になります。そして、皮肉なことに、暴落時に取った行動こそが、将来の投資成果を大きく左右するのです。

多くの経験豊富な投資家は、暴落を「絶好の買い場(バーゲンセール)」と捉えます。しかし、初心者が同じように行動するのは危険が伴います。まずは守りを固めることが先決です。この記事では、投資初心者の方々が株価暴落時に陥りやすい「やってはいけない行動」を具体的に解説し、大切な資産を守り、次の成長につなげるための羅針盤となることを目指します。

■■ 1. 最も危険な行動:狼狽(ろうばい)売り

株価が急落すると、人間心理として「これ以上損をしたくない」という恐怖が最大限に高まります。この恐怖に駆られて、保有している株式をすべて売却してしまう行動が「狼狽売り」です。これは、初心者が最もやってはいけない、そして最もやってしまいがちな行動です。

◆ なぜ、狼狽売りはダメなのか?

・損失を確定させてしまう:
株価が下がっている状態は、あくまで「含み損」であり、まだ損失は確定していません。狼狽売りは、その含み損を「確定損」に変える行為です。将来、株価が回復したとしても、その恩恵を受けることは永久にできなくなります。

・市場の底値で売ってしまう可能性が高い:
パニックが最高潮に達するのは、往々にして市場が底を打つ直前です。恐怖に耐えきれず売却した価格が、結果的に最も安い価格帯だった、ということは非常によくある話です。コロナショック(2020年3月)の際も、恐怖のあまり株式をすべて手放した人は、その後の歴史的な急回復の波に全く乗れませんでした。

・「計画的な損切り」とは全くの別物:
投資を始める前に「株価が〇〇円になったら売る」といったルールを決めておく「損切り(ロスカット)」は、リスク管理の手法として有効です。しかし、狼狽売りは、何の計画もなく、ただ感情に流されて行う衝動的な行動であり、合理的な判断とは言えません。

◆ どうすれば狼狽売りを防げるか?

まずは、「株価は長期的には上下を繰り返しながらも成長してきた」という歴史の事実を思い出すことです。そして、自分が投資している企業の価値を信じられるか、もう一度考えてみましょう。企業の業績や将来性に変化がないのであれば、市場全体のパニックに付き合う必要はないのです。一番の対策は、「何もしない」こと。証券口座の画面をしばらく見ない、というのも有効な手段です。

■■ 2. 傷口を広げる:安易なナンピン買い(一点集中投資)

「ピンチはチャンス」「安くなった今こそ買い時だ」という言葉に勇気づけられ、急落した銘柄に手持ちの資金を追加で投じる行為を「ナンピン買い」と言います。下落局面での買い増しは、平均取得単価を下げる有効な手法の一つですが、初心者が安易に行うと、かえって傷口を広げる危険な行為になり得ます。

◆ なぜ、安易なナンピン買いはダメなのか?

・「落ちるナイフ」を掴む危険性: 急落している株価は、どこまで下がるか誰にも予測できません。まるで落ちてくるナイフのようなもので、掴もうとすれば大怪我をします。安いと思って買っても、さらに下落が続き、あっという間に追加投資分も大きな含み損を抱えることになります。
・特定の銘柄への過度な集中: ただでさえ下落して評価額が下がっている銘柄に、さらに資金を集中させることは、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)のバランスを著しく悪化させます。もしその企業が倒産するような事態になれば、資産の大部分を失いかねません。
・ファンダメンタルズを無視した判断: 「安いから」という理由だけで、その企業の業績や財務状況(ファンダメンタルズ)を分析せずに買うのは非常に危険です。暴落の背景には、市場全体の問題だけでなく、その企業固有の深刻な問題が隠れている可能性もあります。

◆ どうすれば良いのか?

もし買い増しを検討するのであれば、以下の点を厳守してください。

  1.  企業のファンダメンタルズを再確認する:
    この危機を乗り越えられるだけの体力(財務状況)があるか、将来性のある事業かを確認する。
  2.  分散を徹底する:
    時間の分散(一度に買わず、数回に分けて買う)と、銘柄の分散を意識する。
  3.  余裕資金の範囲で行う:
    生活費や近い将来に使う予定のあるお金には、決して手を付けないでください。

■■ 3. 判断を鈍らせる:過剰な情報収集と、逆に思考停止

暴落時には、不安から四六時中ニュースサイトやSNSで情報を追いかけてしまいがちです。一方で、恐怖のあまり現実から目を背け、すべての情報収集を止めてしまう人もいます。この両極端な行動は、どちらも冷静な判断を妨げる要因となります。

◆ なぜ、極端な情報収集はダメなのか?

・過剰な情報収集の弊害:
暴落時のメディアやSNSは、「〇〇ショック再来か」「株価はさらに半値に」といったセンセーショナルな見出しで溢れかえります。こうしたノイズ(雑音)を浴び続けると、不必要に恐怖心が増幅され、狼狽売りなどの非合理的な行動につながりやすくなります。専門家の意見も強気派と弱気派に分かれ、かえって混乱を招きます。

・情報遮断(思考停止)の弊害:
逆に、市場から完全に目を背けてしまうと、自分が保有している銘柄に何か重大な変化(倒産の危機など)が起きた場合に対応が遅れてしまいます。また、冷静に状況を分析し、将来の投資戦略を練る機会も失ってしまいます。

◆ どうすれば良いのか?

重要なのは、情報の「量」ではなく「質」です。
・情報源を絞る:
信頼できる情報源(企業の公式発表(IR情報)、利用している証券会社のレポート、公的な経済統計など)に絞りましょう。

・情報を浴びる時間を決める:
「朝と夜に15分ずつだけチェックする」など、自分でルールを決め、それ以外の時間は相場のことを忘れる努力をしましょう。

・事実と意見を区別する:
企業の決算発表などの「事実」と、アナリストや評論家の「意見(予測)」は明確に分けて捉えることが重要です。

■■ 4. 再起不能になる:借金をしての投資(信用取引の乱用)

手持ちの資金以上の取引ができる「信用取引」は、うまくいけば大きなリターンを得られますが、暴落時には最も警戒すべき手法です。特に初心者が安易に手を出すと、取り返しのつかない事態を招きかねません。

◆ なぜ、借金投資はダメなのか?

・追証(おいしょう)のリスク:
信用取引では、株価が一定以上下落すると、「追証(追加保証金)」の差し入れを求められます。期日までに追加の資金を入金できなければ、保有している株式は強制的に売却(強制決済)され、巨額の損失が確定します。

・損失が元本を超える可能性:
現物取引の最大損失は投資元本がゼロになることですが、信用取引では元本以上の損失を被る可能性があります。つまり、借金だけが残ってしまうのです。

・冷静な判断が不可能になる:
借金をしているという精神的なプレッシャーは、暴落時の恐怖と相まって、正常な判断能力を完全に奪います。

◆ どうすれば良いのか?

投資の鉄則は「余裕資金で行うこと」です。生活防衛資金(生活費の半年~1年分)を確保した上で、当面使う予定のないお金で投資を行うことを徹底してください。初心者のうちは、信用取引には決して手を出さないようにしましょう。

■■ 5. 自分を見失う:投資ルールを破る

投資を始める際、「長期で持つ」「分散投資を心がける」「この銘柄は〇〇という理由で買った」など、自分なりのルールを決めたはずです。しかし、暴落という異常事態に直面すると、そのルールをいとも簡単に破ってしまうことがあります。

・「長期保有のつもりだったけど、怖くなったから短期で売ってしまおう」
+
・「分散が大事だと思っていたけど、この銘柄だけは絶対に大丈夫だから集中投資しよう」

このように、感情に任せて当初の計画を変更するのは、航海の途中で羅針盤を捨てるようなものです。一貫性のない場当たり的な投資は、ギャンブルと何ら変わりません。

◆ どうすれば良いのか?

投資を始める前に、「なぜこの銘柄に投資するのか」「どのような事態になったら売却を検討するのか」といった「投資ノート」を作成しておくことをおすすめします。暴落して不安になった時、そのノートを見返すことで、投資を始めた当初の冷静な自分に立ち返ることができ、感情的な行動を抑制する助けになります。

■■ まとめ:嵐が過ぎ去るのを待ち、次の航海に備える

株価の暴落は、初心者投資家にとって試練の時です。しかし、ここで解説した「やってはいけない行動」を避け、冷静さを保つことができれば、致命的なダメージを回避し、むしろ将来の資産形成の礎とすることさえ可能です。

暴落時に最も大切な行動をまとめると、以下のようになります。

  1.  何よりもまず、パニックで売らない(狼狽売りをしない)。
  2.  自分の投資目的(長期か短期か)と、投資している企業の価値を再確認する。
  3.  信頼できる情報源以外は見ない。相場に張り付かない。
  4.  投資は余裕資金で行うという大原則を絶対に守る。
  5.  自分で決めた投資ルールを信じ、貫く。

歴史が証明しているように、いかなる暴落の後にも、株式市場は必ず回復し、成長を遂げてきました。嵐が過ぎ去るのをじっと待ち、冷静さを失わなかった投資家こそが、次の成長の果実を手にすることができるのです。このガイドが、あなたの賢明な判断の一助となることを心から願っています。

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