株価暴落に備えて持っておきたい投資判断の基準とは?

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■■ はじめに:避けられない「暴落」にどう備えるか?

投資を行っている多くの方が、一度は「株価暴落」への不安を感じたことがあるでしょう。リーマンショック、コロナショックなど、歴史を振り返れば、株式市場は時に予測不能な、急激な下落に見舞われることがあります。こうした事態を目の当たりにすると、「このまま資産が溶けてしまうのではないか」「今すぐにでも売却すべきか」といった感情が湧き上がり、パニックに陥りやすくなります。

しかし、株式市場のサイクルにおいて、上昇局面と下落局面は表裏一体であり、暴落を完全に回避することは、プロの投資家であっても極めて困難です。重要なのは、暴落が起こらないことを願うことではなく、「暴落が起こる可能性を受け入れ、それにどう備え、どう対処するか」を事前に準備しておくことです。

本稿では、株価暴落が怖いと感じる投資家の方々が、今一度ご自身の投資状況や心構えを見直すための「チェックポイント」を専門家の視点から詳しく解説します。これらのチェックポイントを確認し、実践することで、不確実性の高い市場でも冷静に、そして適切に投資判断を行う一助となれば幸いです。

■■ なぜ株価は暴落するのか?予測の難しさ

まず、なぜ株価は暴落するのでしょうか?暴落の引き金となる要因は多岐にわたります。

・経済指標の急激な悪化: GDPの低下、失業率の上昇、企業業績の悪化などが市場全体の景気後退懸念を高める。

・金融システム不安:
銀行破綻や信用収縮などが連鎖的に起こり、市場の流動性が低下する。

・地政学リスク:
戦争、テロ、政治的な不安定要素などが投資家心理を冷え込ませる。

・バブルの崩壊:
特定の資産クラスや市場が過熱し、実体経済との乖離が大きくなった結果、急落を招く。

・自然災害やパンデミック:
コロナショックのように、社会活動や経済活動が麻痺するような事態が発生する。

これらの要因が単独で、あるいは複合的に作用し、投資家が一斉にリスク回避に動くことで、株価は短期間に大きく下落します。そして、これらの要因の発生時期や規模を正確に予測することは非常に難しいため、「いつ暴落が来るか」をピンポイントで当てることは不可能に近いのです。だからこそ、いつ来ても対応できる「備え」が重要になります。

■■ 暴落時にパニックにならないための心構え

暴落時には、市場のネガティブなニュースやSNSでの不安を煽る情報に触れ、感情的になりがちです。しかし、こうした時こそ冷静さを保つことが何よりも重要です。

・長期投資の視点を持つ:
短期的な価格変動に一喜一憂せず、数年、数十年といった長い目で資産形成を考えることが大切です。過去の暴落も、長期的には回復し、市場は成長を続けてきました。

・感情に流されない:
含み損が膨らむのを見ると不安になるのは当然ですが、パニック売りは損失を確定させてしまいます。「みんなが売っているから自分も売る」といった集団心理に惑わされない強い意志が必要です。

・情報は冷静に判断する:
ニュースや専門家の意見など、様々な情報に触れることは大切ですが、情報の真偽を見極め、客観的に判断する姿勢が求められます。

これらの心構えを持つことが、次に述べる具体的なチェックポイントを実践するための土台となります。

■■ 株価暴落を乗り越えるための投資チェックポイント

いよいよ、具体的な投資のチェックポイントを見ていきましょう。ご自身の状況と照らし合わせながら確認してください。

◆チェックポイント1:ポートフォリオのリバランスは適切か?

投資を始めた時と現在とで、ご自身の資産配分(アセットアロケーション)はどのように変化していますか?市場が上昇を続けると、相対的に株式の比率が高まり、リスク許容度を超えたポートフォリオになっていることがあります。暴落前に、ご自身の本来のリスク許容度に基づき、資産配分が歪んでいないかを確認し、必要であれば株式の一部を売却して債券や現金比率を高めるなど、リバランスを行いましょう。これにより、予期せぬ下落時のダメージを軽減できます。

◆チェックポイント2:資産は十分に分散されているか?

「卵を一つのカゴに盛るな」という相場格言の通り、単一の銘柄や特定の業種、地域に集中投資していると、その対象が暴落した場合に甚大な被害を受けます。国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)、そして可能であれば金などのコモディティといった、異なる値動きをする資産クラスに分散投資できているか確認しましょう。また、国・地域によって経済状況は異なるため、日本国内だけでなく海外の資産にも分散することは有効なリスクヘッジとなります。

◆チェックポイント3:保有銘柄の「質」を確認しているか?

あなたが投資している企業の財務状況、収益性、ビジネスモデル、将来性などを改めて評価してみましょう。不況時でも比較的安定した業績を上げられる企業、競争優位性を持つ企業、キャッシュフローが潤沢な企業は、暴落時にも底堅さを見せる傾向があります。漠然と購入した銘柄や、流行に乗って投資した銘柄は、この機会にその「質」を厳しく見直す良い機会です。

◆チェックポイント4:当面の資金繰りに問題はないか?

投資資金は、近い将来使う予定のない余剰資金で行うのが鉄則です。最低でも生活費の半年分~2年分にあたる「生活防衛資金」とは別に、投資を行っているか確認してください。暴落時に生活資金が必要になった場合、含み損を抱えたまま資産を売却せざるを得なくなり、損失が確定してしまいます。また、信用取引などで過度なレバレッジをかけている場合、追証(マージンコール)が発生し、強制的に決済されてしまうリスクがあります。ご自身の資金状況と、投資に回せる金額を正確に把握しましょう。

◆チェックポイント5:投資戦略は明確か?

「なぜこの銘柄に投資したのか」「いつまで保有するつもりか」「どのような状況になれば売却を検討するのか」など、ご自身の投資に対する考え方や戦略は明確でしょうか?暴落時には、こうした当初の戦略がないと、感情的な判断に流されやすくなります。もし戦略が曖昧であれば、この機会に再構築しましょう。また、暴落を「安く質の高い資産を購入できるチャンス」と捉え、買い増し戦略を検討することも一つの考え方です。

◆チェックポイント6:積立投資を継続できるか?

毎月一定額を投資する積立投資(ドルコスト平均法)は、価格変動リスクを抑える有効な手法です。価格が高い時には少なく、価格が低い時には多く購入することになり、結果的に平均購入単価を平準化できます。暴落時は、同じ金額でより多くの口数を購入できる絶好の機会とも言えます。暴落を恐れて積立を止めてしまうと、このメリットを享受できません。積立投資を継続できる資金計画になっているか確認しましょう。

◆チェックポイント7:過度なレバレッジをかけていないか?

信用取引やFX、 CFD取引など、レバレッジをかけた取引は、少ない資金で大きなリターンを狙える可能性がある一方で、価格が思惑と反対方向に動いた場合の損失も非常に大きくなります。特に暴落時には、短期間に急激な値動きが発生するため、ロスカットが間に合わずに投資元本以上の損失が発生するリスクもゼロではありません。ご自身の許容できるリスクの範囲内でレバレッジ取引を行っているか、あるいはそもそも避けるべきか、改めて検討しましょう。

◆チェックポイント8:暴落時の新規購入資金はあるか?

前述の通り、暴落は質の高い資産をバーゲン価格で購入できるチャンスでもあります。しかし、そのための購入資金がなければ、せっかくの機会を活かすことができません。ある程度のキャッシュポジションを確保しておくことは、暴落時の心理的な安定剤にもなりますし、市場が大きく下落した際に新たな投資を行うための「弾薬」となります。

◆チェックポイント9:税金対策も視野に入れるか?

含み損を抱えている銘柄がある場合、暴落時や年末などに、その損失を確定させることで、他の株式等の譲渡益や配当金との損益通算を行い、税負担を軽減できる可能性があります(いわゆる「損出し」)。ただし、これは税務に関する専門的な判断が必要となるため、ご自身の状況に応じて税理士等の専門家に相談することも検討しましょう。

◆チェックポイント10:信頼できる情報源を見直しているか?

暴落時は不確実な情報が飛び交い、投資家心理をかき乱しがちです。根拠のない噂やSNSでの断片的な情報に惑わされず、信頼できる経済メディア、企業のIR情報、金融機関のアナリストレポートなど、正確で客観的な情報源からデータを収集・分析する習慣をつけましょう。

■■ 暴落は「危機」であり同時に「機会」である

株価暴落は確かに怖いものです。しかし、歴史を振り返れば、多くの暴落期は、その後の市場回復期における大きな上昇の起点ともなっています。優良な企業の株や質の高い資産が本来の価値よりも安く手に入る「バーゲンセール」の機会と捉えることも可能です。

重要なのは、暴落そのものを恐れて投資から撤退することではなく、事前の準備と冷静な判断によって、その影響を最小限に抑えつつ、来るべき回復局面、さらには長期的な資産形成に繋げるための行動を取ることです。

■■ まとめ:冷静な準備が未来を拓く

株価暴落は、投資家にとって試練の時です。しかし、事前にしっかりと備え、冷静に、そして計画的に対応することで、その試練を乗り越え、むしろ資産形成を加速させる機会とすることも可能です。

今回ご紹介した10のチェックポイントは、暴落時だけでなく、普段から定期的に見直すべき投資の基本でもあります。ご自身のポートフォリオ、資金繰り、そして何よりも投資に対するご自身の考え方と向き合い、これらのチェックポイントを実践してください。

不確実な時代だからこそ、感情に流されない冷静な判断と、入念な準備が、あなたの投資における未来を拓く鍵となるでしょう。

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