既婚者同士の“純愛”は本物なのか？ 恋愛カウンセラーが暴く「ダブル不倫カップルの意外な言い分」
既婚者同士の恋愛、いわゆるダブル不倫は、社会的には非難されることが多い一方で、当事者たちはその関係を「純愛」と表現するケースが少なくない。このような関係は、本当に純愛と言えるのか、あるいはただの一時的な欲求不満の解消や現実逃避なのか。その心理を恋愛心理学やカウンセリングの視点から深く探っていく。
■ なぜ「純愛」と感じるのか
既婚者同士の恋愛関係にある人々は、自分たちの関係を「純愛」だと強調することがよくある。その理由の一つには、社会や周囲からの批判に対抗するために、より強固な「愛」という言葉を用いて正当化しようとする心理がある。しかし、恋愛カウンセリングの現場で話を聞くと、それ以上に「本当に相手を愛している」という感情を強く抱いている人々もいるのだ。
多くのダブル不倫カップルが語るのは、「家庭では満たされない感情的欲求を、この相手だけが理解してくれる」ということである。たとえば、「配偶者にはもう心が通じなくなったが、相手とは精神的に深く結ばれている」と感じることで、「自分たちは本物の愛情でつながっている」と信じてしまうのだ。
■ 心理学的背景
恋愛心理学において、不倫関係を「本物の愛」と錯覚する要因の一つに「ロミオとジュリエット効果」がある。これは障害があるほど相手への感情が強くなるという心理現象だ。ダブル不倫は社会的にも家庭的にも障害が多いため、その障害自体が「私たちの愛は特別」と感じさせる要因になり得る。
また、「承認欲求」の充足も重要な要素である。結婚生活が長くなると、配偶者からの承認や評価が減少し、自己肯定感が低下することがある。そんな時、自分を新鮮な視点で評価し、肯定してくれる相手が現れると、その人との関係が特別で「純粋な愛情」だと感じるようになる。
■ ダブル不倫カップルが語る「意外な言い分」
実際にカウンセリングを受けに来たダブル不倫カップルの多くが意外に語ることは、「肉体関係よりも精神的つながりのほうが強い」ということだ。「自分たちはむしろ精神的な支えあいを求めている」と主張することが多く、性的な要素よりも「話を聞いてくれる」「理解してくれる」といった心理的サポートを求めているケースが目立つ。
また、「配偶者とは離婚するつもりはない」という意見も意外と多い。実際には、家庭や社会的責任を捨てて相手と再婚したいというよりも、「家庭と恋愛を完全に分けて考えている」人が多いのだ。これは「家庭は義務や責任の場、恋愛は心を満たす場」という明確な役割分担意識があるからだと考えられる。
■ 純愛か、幻想か？
では、こうしたダブル不倫関係は「本物の純愛」なのか、それとも一時的な幻想なのか？ 恋愛心理学では、強烈な感情や情熱は「一時的に高まった幻想」だと指摘されることが多い。特に、障害が多いほど恋愛感情は激化しやすく、それが長期的に安定した「愛」に発展するケースは稀だとされる。
しかし、一方で完全に否定することもできない。なぜならば、実際に数年、時には10年以上関係を継続し、精神的な結びつきが非常に深いカップルも存在するからである。そうしたケースでは、「幻想」から「成熟した愛情」に進化している可能性もある。
■ カウンセリングが示す現実的結論
恋愛カウンセラーが客観的に見る場合、ダブル不倫の関係は一般的に「純愛」と呼ぶには心理的にリスクが高いと判断することが多い。社会的制裁、家庭崩壊のリスク、精神的苦痛など、様々な問題が発生する可能性が高く、長期的に健康な精神状態を保つのは難しい。
それでも「純愛」だと信じたい気持ちは理解できる。なぜなら、それは人間が本能的に求める「愛されたい」「認められたい」という欲求の究極的な現れだからだ。
■ 読者への新たな視点
ダブル不倫を「純愛」として見るか否かは、個人の価値観や道徳観念に大きく影響される。しかし心理学的に見れば、その愛情は障害や承認欲求が強化した「錯覚」である可能性が高い。
一方で、その関係を続けることで人生が豊かになると感じる人々が存在するのもまた事実である。彼らの視点からすれば、それは紛れもない「純愛」なのかもしれない。
この問題を理解する上で重要なのは、一方的な善悪の判断よりも、当事者の心情を深く知ることである。既婚者同士の恋愛関係が生まれる背景には、満たされない感情的な欲求や複雑な心理状況が存在している。その理解こそが、私たちが人間の恋愛心理をより深く知るための鍵になるのだ。
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